雷が運営するサイト・蒼雲草のブログページ。日々のことを書き綴る予定。あくまで予定。
[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。
Pixiv企画「ソウル・バース・スピアヘッド」に参加するにあたり、
ひとつ気になることがあったので調べものをしていた。
ソバスピはいわゆるポストアポカリプスの世界観で、災厄に見舞われたかつての日本を舞台に、
企画参加者は3つある陣営のひとつを選んで、荒野と砂漠で生きる人々をロールプレイする。
物語舞台であるニホン(旧日本)はヒガシとニシに二分されており、両者は対立関係にあるが、
緩衝地帯として「チューブ」を設定したことで、とりあえず今は平穏を保っている。
このチューブは、ギフ、トヤマ、イシカワ、アイチ、シズオカを圏域に含んでいるが、
あきらかに現代日本の中部地方と岐阜県、富山県、石川県、愛知県、静岡県をモデルにしている。
しかしこの「チューブ」の現在の圏域は、ヒガシとニシの浸出によって支配地を削られた結果らしく、
過去のチューブの圏域は、もっと広大な範囲に及んでいたと考えられる。
では、最盛期のチューブの圏域は、どれほどの広さだったのだろう。
現代日本における「中部地方」の扱いから、推測してみたい。
そもそも中部地方の範囲は、法令によってバラバラで、まったく定まっていない。
たとえば国土形成計画法は、中部圏は「愛知県、三重県その他政令で定める県の区域」としており、
国土形成計画法に規定される国土形成計画との調和を保つとされる中部圏開発整備法は、
「富山県、石川県、福井県、長野県、岐阜県、静岡県、愛知県、三重県及び滋賀県の区域」の9県としている。
国土調査法施行令では8県を中部としており、さらに東西ふたつのエリアに細分化して、
中部東は「新潟県、山梨県、長野県、静岡県」、中部西は「富山県、石川県、岐阜県、愛知県」としている。
人事院中部事務局は「富山県、石川県、福井県、岐阜県、静岡県、愛知県、三重県」(7県)を管轄する。
中部地方環境事務所も同じく7県を管轄するが、内訳は「富山県、石川県、福井県、長野県、岐阜県、愛知県、三重県」と、入れ替わりがある。
警察法は中部管区警察局の管轄区域を「富山県、石川県、福井県、岐阜県、愛知県、三重県」(6県)としている。
この管轄区域は、司法にかかわる名古屋高等検察庁や名古屋高等裁判所の管轄区域と同じであり、
受刑者の仮釈放などについて判断・決定する中部地方更生保護委員会の管轄区域とも一致する。
このように、同じ行政機関であっても、どの県を中部地方に含めるかはそれぞれ異なっている。
しいて中部地方の「最大範囲」を想定するなら、
「新潟県、富山県、石川県、福井県、山梨県、長野県、岐阜県、静岡県、愛知県、三重県、滋賀県」の11県になるだろうか。
これを踏まえると、ソバスピに登場するチューブの最盛期の圏域については、
「ニイガタ、トヤマ、イシカワ、フクイ、ヤマナシ、ナガノ、ギフ、シズオカ、アイチ、ミエ、シガ」と考えられる。
ニイガタ、ナガノ、ヤマナシはヒガシに、フクイ、ミエ、シガはニシに削り取られたと想定できそうだ。
※参考文献 大明堂編集部 編『新日本地誌ゼミナールIV 中部地方』(大明堂 , 1983 , p.222)