雷が運営するサイト・蒼雲草のブログページ。日々のことを書き綴る予定。あくまで予定。
神話や伝説に登場するキノコのモンスターについて、ずっと調べていた。
僕は、支部企画などで様々な怪物や精霊を描きたがるタチなんだけど、
そのたびに、各地の神話や伝説などの「古典」をふまえて、
モンスターを造形し、描き出すことが多い。
さいきんキノコのモンスターを描く機会があって、
いつものように神話などにあたったのだけど、
どうもキノコのモンスターが見当たらない。
キノコを神秘の霊薬として食べたり、魔術の材料にしたりという話はある。
妖精がいた痕跡といわれるキノコの輪(フェアリーサークル)の話もある。
しかし、D&Dのマイコニド、ホラー映画「マタンゴ」、FFのフンゴオンゴなど、
近代の作品に登場するキノコのモンスターはいくらでもいるが、
神話伝説由来のキノコのモンスターは、どうもいないらしい。
と思っていたのだけど、見つけた。
奈良県十津川村では、キノコが腐敗すると一本足・一つ目の一本ダタラになるというのだ。
くわえて、コロンビアやベネズエラにはKayeriという怪物の伝説があるらしい。
Kayeriは、キノコに似た帽子のようなものを頭にかぶったモンスターで
巨人もしくは巨獣の姿をとるといわれ、形は定まっていないようだ。
森に生えるキノコは、すべてKayeriの分身であるという。
雨が降ると現われ、晴れると姿を隠す。牛を好んで食べる。
>佐竹則廸 編『SFXポスター・コレクション since 1950』(実業之日本社, 1986, p.141)
>早川浩 著, Nikov 絵『RPG幻想事典』(日本ソフトバンク出版事業部, 1986)
>本多猪四郎(監督), 円谷英二(特技監督)(1963)「マタンゴ」(東宝)
>山田隆夫 編著『十津川民俗資料(1) 大和吉野郡十津川村小坪瀬及び西中記録』(民俗研究会, 1941, p.108)
>Cook, D., Hammack, A., Johnson, H. Moldvay, T., Schick, L. & Williams, S.「AD&D: Against the Slave Lords」(Renton, Wizards of the Coast, 2013, p.4)
>Gygax, G.『Advanced dungeons & dragons: Monster Manual』(Lake Geneva, TSR, 1979(4th ed), p.87)
>Gygax, G.『Advanced dungeons & dragons: Monster Manual II』(Lake Geneva, TSR, 1983, p.10)
>Schick, L.『AD&D Dungeon Module A4: In the Dungeons of the Slave Lords』(Lake Geneva, TSR, 1981, p.12)
>Wikipedia「Kayeri」(https://en.wikipedia.org/wiki/Kayeri)(2025.10.7)